足場職人通信

2025.07.29

足場材料の基本知識~単管・クランプから最新資材まで

こんにちは、CHS(シー・エッチ・エス)です。今日は足場工事で使用される基本的な材料から最新の資材まで、現場で役立つ知識をお届けします。創業30年の経験で培った知識をもとに、各材料の特徴と使い分けのポイントを解説していきます。

基本材料の規格と特徴

単管パイプ~足場の基本構造材

基本規格

  • 外径:48.6mm(JIS規格で統一)
  • 厚さ:2.4mm(標準仕様)
  • 長さ:1m、2m、3m、4m、6mが一般的
  • 材質:炭素鋼管

使用目的

  • 足場の支柱(建地)
  • 水平材(布)
  • 斜材(筋交い)
  • 手すり材

参考:単管パイプの規格

クランプ類~単管を接続する重要部材

直交クランプ(直交型)

  • 用途:単管を直角(90度)に固定
  • 規格:Φ48.6mm専用
  • 荷重:引張り強度約8kN

自在クランプ(自在型)

  • 用途:任意の角度で単管を固定
  • 特徴:360度回転可能
  • 使用場面:斜材取り付け、複雑な形状対応

3連クランプ

  • 構造:直交・自在機能を一体化
  • メリット:取り付け作業の効率化
  • 適用:交差部での複数材料固定

重要な注意点 単管クランプにはJIS規格がなく、仮設工業会の認定品を使用することが安全基準となっています。

参考:クランプの種類と特徴

枠組足場の主要部材

建わく~枠組足場の基本ユニット

標準わく

  • 寸法:1,219mm × 1,700mm(標準)
  • 許容荷重:34.3kN
  • 重量:約15kg
  • 構造:門型に溶接された鋼管フレーム

簡易わく

  • 用途:軽作業用途
  • 特徴:標準わくより軽量
  • 制限:重量物の積載に制限あり

筋交い~構造安定化材料

規格例

  • A14タイプ:1,219mm × 1,829mm × 2,198mm(重量4.2kg)
  • A11タイプ:1,219mm × 1,524mm × 1,952mm(重量3.7kg)

役割

  • 足場の水平剛性確保
  • 風荷重に対する耐力向上
  • 座屈防止効果

参考:筋交いの規格

手すりわく~安全確保の必須部材

基本規格

  • 手すり高さ:作業床より90cm以上
  • 中桟高さ:35cm以上50cm以下
  • 構造:一体化された安全部材

法令要求 労働安全衛生規則により、高さ85cm以上の手すりと中桟の設置が義務付けられています。

参考:手すりわくの基準

くさび式足場の専用部材

支柱材(建地)

基本仕様

  • 外径:Φ48.6mm
  • くさび緊結部:一定間隔で配置
  • 特徴:専用金具による確実な接続

布材・手すり材

横架材(布)

  • 長さ:1,000mm、1,500mm、2,000mmが標準
  • 接続:くさび緊結による固定
  • 機能:作業床の支持と水平剛性

手すり材

  • 高さ:法令基準に適合した設計
  • 特徴:中間手すりが標準装備
  • 安全性:打込み不要の確実な固定

最新資材~次世代足場システム

次世代足場の定義

従来の足場(枠組・くさび緊結式)の規格を安全面・施工面・管理面から見直した新規格の足場システムです。

主な特徴

  • 最新の安全基準への対応
  • 組み立て効率の向上
  • 軽量化による作業負荷軽減
  • 抜け止め機構の標準装備

参考:次世代足場の定義

代表的な次世代足場システム

タカミヤ「Iqシステム」

  • 特徴:軽量化・横スライド装着
  • メリット:大組み・大払しでスピード組立
  • 効率:枠組足場10段 → Iqシステム9段でOK

アルインコ「アルバトロス」

  • 特徴:許容支持力のバランスが良好
  • 用途:型枠支保工にも対応
  • 安全性:抜け止め機構付き

平和技研「LOCKシリーズ」

  • コンセプト:安全・省力化の実現
  • 構造:クサビ式足場から進化
  • 効果:作業負担軽減、施工性向上

日建リース「NDシステム ダーウィン」

  • 支柱材:Φ42.7mm(軽量化)
  • 高さ:1800mm、1900mm対応
  • 安全性:手すり先行工法対応

次世代足場の技術的優位性

抜け止め機構 従来のくさび式足場との最大の違いは、くさび部分に抜け止め機構が備わていることです。これにより接続の確実性が大幅に向上しています。

軽量化 支柱材の径を細くするなど、軽量化により作業員の負担を軽減しています。

施工効率 大組み・大払し対応により、従来工法より効率的な組立・解体が可能です。

参考:次世代足場の比較

材料選択の判断基準

現場条件による使い分け

高層建築

  • 推奨:枠組足場システム
  • 理由:高い構造強度と安定性

住宅工事

  • 推奨:くさび式足場または次世代足場
  • 理由:組立効率と安全性のバランス

複雑形状建物

  • 推奨:単管足場
  • 理由:自由度の高い形状対応

安全性重視の材料選択

法令適合

  • 仮設工業会認定品の使用
  • 労働安全衛生規則への準拠
  • 定期的な点検・交換

品質管理

  • 材料の劣化状況確認
  • 変形・損傷材料の使用禁止
  • 適切な保管・管理

材料管理のポイント

保管管理

単管・クランプ

  • 屋外保管時の防錆対策
  • 分類・整理による効率化
  • 定期的な清掃・点検

枠組足場部材

  • 積み重ね方法の標準化
  • 部材の変形防止
  • 紛失防止対策

品質確保

使用前点検

  • 変形・亀裂の有無確認
  • 接続部の動作確認
  • 規格適合性の確認

使用中管理

  • 定期的な締め直し
  • 異常発見時の即座対応
  • 交換時期の判断

まとめ~適切な材料選択で安全確保

足場材料は現場の安全性を左右する重要な要素です。基本的な単管・クランプから最新の次世代足場まで、それぞれに特徴と適用場面があります。

材料選択のポイント

  • 現場条件に適した材料の選択
  • 法令基準への確実な適合
  • 品質管理の徹底
  • 最新技術の積極的活用

CHSでは、これらの材料を適切に使い分け、常に最高品質の足場工事を提供しています。自社保有資材により、特注対応や緊急時の迅速な対応も可能です。

材料について詳しく知りたい方、現場に最適な材料選択についてご相談がある方は、ぜひCHSまでお気軽にお問い合わせください。30年の経験に基づいた最適なソリューションをご提案いたします。