こんにちは、CHS(シー・エッチ・エス)です。今日は足場工事で使用される基本的な材料から最新の資材まで、現場で役立つ知識をお届けします。創業30年の経験で培った知識をもとに、各材料の特徴と使い分けのポイントを解説していきます。
基本材料の規格と特徴
単管パイプ~足場の基本構造材
基本規格
- 外径:48.6mm(JIS規格で統一)
- 厚さ:2.4mm(標準仕様)
- 長さ:1m、2m、3m、4m、6mが一般的
- 材質:炭素鋼管
使用目的
- 足場の支柱(建地)
- 水平材(布)
- 斜材(筋交い)
- 手すり材
参考:単管パイプの規格
クランプ類~単管を接続する重要部材
直交クランプ(直交型)
- 用途:単管を直角(90度)に固定
- 規格:Φ48.6mm専用
- 荷重:引張り強度約8kN
自在クランプ(自在型)
- 用途:任意の角度で単管を固定
- 特徴:360度回転可能
- 使用場面:斜材取り付け、複雑な形状対応
3連クランプ
- 構造:直交・自在機能を一体化
- メリット:取り付け作業の効率化
- 適用:交差部での複数材料固定
重要な注意点 単管クランプにはJIS規格がなく、仮設工業会の認定品を使用することが安全基準となっています。
参考:クランプの種類と特徴
枠組足場の主要部材
建わく~枠組足場の基本ユニット
標準わく
- 寸法:1,219mm × 1,700mm(標準)
- 許容荷重:34.3kN
- 重量:約15kg
- 構造:門型に溶接された鋼管フレーム
簡易わく
- 用途:軽作業用途
- 特徴:標準わくより軽量
- 制限:重量物の積載に制限あり
筋交い~構造安定化材料
規格例
- A14タイプ:1,219mm × 1,829mm × 2,198mm(重量4.2kg)
- A11タイプ:1,219mm × 1,524mm × 1,952mm(重量3.7kg)
役割
- 足場の水平剛性確保
- 風荷重に対する耐力向上
- 座屈防止効果
参考:筋交いの規格
手すりわく~安全確保の必須部材
基本規格
- 手すり高さ:作業床より90cm以上
- 中桟高さ:35cm以上50cm以下
- 構造:一体化された安全部材
法令要求 労働安全衛生規則により、高さ85cm以上の手すりと中桟の設置が義務付けられています。
参考:手すりわくの基準
くさび式足場の専用部材
支柱材(建地)
基本仕様
- 外径:Φ48.6mm
- くさび緊結部:一定間隔で配置
- 特徴:専用金具による確実な接続
布材・手すり材
横架材(布)
- 長さ:1,000mm、1,500mm、2,000mmが標準
- 接続:くさび緊結による固定
- 機能:作業床の支持と水平剛性
手すり材
- 高さ:法令基準に適合した設計
- 特徴:中間手すりが標準装備
- 安全性:打込み不要の確実な固定
最新資材~次世代足場システム
次世代足場の定義
従来の足場(枠組・くさび緊結式)の規格を安全面・施工面・管理面から見直した新規格の足場システムです。
主な特徴
- 最新の安全基準への対応
- 組み立て効率の向上
- 軽量化による作業負荷軽減
- 抜け止め機構の標準装備
参考:次世代足場の定義
代表的な次世代足場システム
タカミヤ「Iqシステム」
- 特徴:軽量化・横スライド装着
- メリット:大組み・大払しでスピード組立
- 効率:枠組足場10段 → Iqシステム9段でOK
アルインコ「アルバトロス」
- 特徴:許容支持力のバランスが良好
- 用途:型枠支保工にも対応
- 安全性:抜け止め機構付き
平和技研「LOCKシリーズ」
- コンセプト:安全・省力化の実現
- 構造:クサビ式足場から進化
- 効果:作業負担軽減、施工性向上
日建リース「NDシステム ダーウィン」
- 支柱材:Φ42.7mm(軽量化)
- 高さ:1800mm、1900mm対応
- 安全性:手すり先行工法対応
次世代足場の技術的優位性
抜け止め機構 従来のくさび式足場との最大の違いは、くさび部分に抜け止め機構が備わていることです。これにより接続の確実性が大幅に向上しています。
軽量化 支柱材の径を細くするなど、軽量化により作業員の負担を軽減しています。
施工効率 大組み・大払し対応により、従来工法より効率的な組立・解体が可能です。
参考:次世代足場の比較
材料選択の判断基準
現場条件による使い分け
高層建築
- 推奨:枠組足場システム
- 理由:高い構造強度と安定性
住宅工事
- 推奨:くさび式足場または次世代足場
- 理由:組立効率と安全性のバランス
複雑形状建物
安全性重視の材料選択
法令適合
- 仮設工業会認定品の使用
- 労働安全衛生規則への準拠
- 定期的な点検・交換
品質管理
- 材料の劣化状況確認
- 変形・損傷材料の使用禁止
- 適切な保管・管理
材料管理のポイント
保管管理
単管・クランプ
- 屋外保管時の防錆対策
- 分類・整理による効率化
- 定期的な清掃・点検
枠組足場部材
- 積み重ね方法の標準化
- 部材の変形防止
- 紛失防止対策
品質確保
使用前点検
- 変形・亀裂の有無確認
- 接続部の動作確認
- 規格適合性の確認
使用中管理
- 定期的な締め直し
- 異常発見時の即座対応
- 交換時期の判断
まとめ~適切な材料選択で安全確保
足場材料は現場の安全性を左右する重要な要素です。基本的な単管・クランプから最新の次世代足場まで、それぞれに特徴と適用場面があります。
材料選択のポイント
- 現場条件に適した材料の選択
- 法令基準への確実な適合
- 品質管理の徹底
- 最新技術の積極的活用
CHSでは、これらの材料を適切に使い分け、常に最高品質の足場工事を提供しています。自社保有資材により、特注対応や緊急時の迅速な対応も可能です。
材料について詳しく知りたい方、現場に最適な材料選択についてご相談がある方は、ぜひCHSまでお気軽にお問い合わせください。30年の経験に基づいた最適なソリューションをご提案いたします。